小説 「アレスグート」  第10話

 そんな生活は長く続かなかった。半年も過ぎた頃、突然、警察からの呼び出しで、行った先は病院。恵美はもう冷たくなっていた。死んでしまった人からは何も入ってこなかった。オレは生き返らせることなんか、できやしない。道路に飛び出した子供を助けようと身代りになってトラックに轢かれたのだという。 ひとりになってしまった。あふれ出る涙と絶望感は止めることはできなかった。恵美の傷を全部取り込んで、、、何度もトラ…

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小説 「アレスグート」  第9話

「ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」「ん?なに?」恵美がマジな顔して聞いてくる。「週末にちょっと太ったかなと思っても、ヒロシに会ったあと、いつももとに戻ってるの。なんでかな?」げげっ、感づいてる。「そうなの?ちゃんと恵美が摂生しているからじゃない?」「いえ、これは私が思うに、ヒロシはもしかして脂肪吸引できるんじゃないの?」あちゃー、すごく感がいい。ドンピシャだ。「いや、そんなことないよ。」だめだ、ば…

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小説 「アレスグート」  第8話

 数日後、会社から帰ると家の前に数人の人がいた。「あ、高橋さんですよね。」「何か?」「お願いします。是非見てほしいんです。」 恵美の予感は的中した。どこでこの住所がわかったんだ?探偵でも雇ったんか?「オレは医者じゃないんですよ。」「どこが悪いのかを教えてくれるだけでいいんです。」「どうか、お願いします。」おいおい、本当にこれから毎日これかよ?我先にと数人が私の前に出ようとする。「ちょっと待って下…

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