2021年12月02日

短編小説 「トラブル・アトラクター」 第2話

「おっさん、そいつを離せ。」

「じゃ、オレのパソコンを返せ。」

「ちぇ。」

素直にオレのパソコンを手渡した。

「せっかく、あの母親から守ってやったのに、こんなことするなんてな。」

「うるせえや。」

「足・・・どうしたんや。このおっさんにやられたんか?」

「オレは何もしてないぞ。」

「嘘つくな、立てないやんか。」

高校生たちはオレを取り囲んだ。まいったな。またかよ。こうなったら、何を言っても無駄なのはわかっている。仕方ないから、オレに殴りかかってきたヤツから、足の骨を爆破。オレに倒れ込んできた連中を避けた。

「えっ、みんなどうしたんだ?」

そりゃそうだろ、倒れた連中は激痛に顔をゆがめている。少なくとも、そんな状態になっても攻撃してくるヤツはいない。

「オレは何もしてないぞ。」

「うそつけ、何をしたんだ?」

「だから、何もしてないって。自分でつまづいたんだろ。」

オレは、連中を尻目にパソコンを鞄にしまって、さっきのファミレスへ戻って行った。

店員さんのところに行って、高校生たちの分と、オレの分の精算をした。まあ、これくらいはいいでしょ。あの高校生たちは、当分、まともに歩けないだろうな。


 オレは仕事の打合せをした帰り、ふと路地から声が聞こえたんで、見ると、数人の男が見えた。多分、止めといたらいいのはわかっていたけど、どうも目がそっちを向いてしまった。

「こらぁ、何、見とんのや。」

いきなり、大声が聞こえた。また、やってもぉた。若いヤンキー風の男が走ってきて、オレに掴みかかった。

「何も見てないですよ。」

「嘘つけ、こっちこいや。」

やれやれ、困ったもんだ。オレは引っ張られてその場所につれていかれた。

「お兄さんよ、出すもん出したら、帰んな。」

オレより先に鴨にされていた男がいたが、かなりやられていたみたいで、口から血が見えた。

「いえいえ、オレは何も持ってないっすよ。」

「何ふざけてんだ、あ~?」


 仕方ない。相手は3人。オレに掴みかかってきたヤツの腕を爆破。肘がぶらんとしちゃった。

「おまえ、何した?」

「いえ、何もしてないっすよ。」

1人が刃物を抜いた。オレはすかさず、刃物を持つ手を爆破。指が全部吹き飛んだ。そいつはうずくまった。

「もう、やめましょうよ。」

「おまえ、堅気じゃねえな?」

「いや、暴力団ちゃうし。」

最後の男の膝を爆破。

 やられていた男を立たせて、オレはその路地から出た。通りに出たところで、その男と別れた。散々、お礼を言われたけど、オレは何もしてない。見た目にはね。


 オレがコンビニに寄った帰りだった。店を出ると、女の子が2人の男に絡まれていた。まただ。困ったもんだ。

「君たち、その子嫌がってるだろ?」

「なんだ?おっさん。」

おっさんか、オレ、やっぱりもうおっさんなのかもね。

「こっちおいで。」

「邪魔すんのか?」

「だって、嫌がってるじゃないか。」

「うるせい。」

またいつものように、オレに殴り掛かってきた。オレはその拳骨の小指を爆破。男はそのまま拳を抱えて、うずくまった。それを見て、もう1人は小さな刃物を出した。

「きゃあ~。」

女の子が叫んだから、男はびっくりして走って逃げた。

「ありがとう、助かったよ。」

「いえ、私こそ、ありがとうございます。」

「じゃ、これで。」

オレはその場から去ろうとした。

「あ、あの。」

オレは聞こえていたが、聞こえない振りをした。あんまり、関わらない方がいい。しらん顔した。前にもこういうケースの場合、調子に乗ってそんな女の子に付き合うと、今度は美人局的なヤツが現れたこともあったからな。オレはこんなことに巻き込まれることが、ほんとに多い。どうなっているだろうな。


 まあ、しばらくは仕事に追われて、どこにも出れなかった。食材も尽きてきたんで、仕方なしに買い出しに出かけた。スーパーでたくさんの食材を購入、両手に持ちきれんくらい買いまくった。たまに、こういうところにくると、あれもこれも買いたくなるもんだ。くるまでもあれば、もっとたくさん買うんだろうけどな。だけど、買い過ぎたかも。オレは、休み、休み、帰途に着いた。




(つづく)



posted by たけし at 12:00| 兵庫 ☔| Comment(0) | トラブル・アトラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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