変わりゆく未来 第11話

 ある日、3年生の男子生徒がやってきた。人知れず、話をしたいとのことだったので、放課後、付き合った。彼からは明らかに悲壮感が漂っていた。これはやばいな。直観的にそう思った。 とりあえず、話をするだけしてもらって、私は黙って聞いていた。彼には弟がいて、その弟がとってもよくできる弟だということ。家族は弟にしか興味がなく、自分のことはどうでもいいのだという。どんなに頑張っても認めてもらえない。いっその…

続きを読む

変わりゆく未来 第12話

 次に気が付いたときは、保健室ではなく、病院にいた。私も武田くんのように、万が一のことがあっては大変だということで、救急搬送されたとのこと。当然、母親がそばにいた。が、私には初対面だ。「美香ちゃん、大丈夫なの?先生を呼んでくるからね。」先生がきて、目を見たり、血圧を見たりしたが、問題なさそうだとの判断だった。「あなたは誰ですか?」「美香ちゃん、おかあさんよ。わからない?」「思い出せない。」先生は…

続きを読む

変わりゆく未来 第13話

 男だった私が、女のからだを持つと、このからだをいかに守るかを考えてしまう。だって、男はろくなものではないのを、私は一番よく知っている。理性をなくしたら、何をされるかわからない。自分の身は自分で守るしかない。私はこっそりとネットの動画で空手や合気道を練習するようになった。 斎藤さんは、私が変わったと言う。そりゃそうだ。もう、本人じゃない。羊の皮をかぶった狼じゃなく、女のからだをもった男なのだから…

続きを読む

変わりゆく未来 第14話

 ある日、母親が急にこんなことを言ってきた。「美香、そろそろ進路相談なんでしょ?」「うん、でも就職するから、あんまり気にしてない。」「大学、いきたい?」「ううん、もう自分の中で決心ついたから大丈夫。働くよ。」「あんまり、高いところは無理だけど、授業料安いところならなんとかなると思うんだけど。」「だ・か・ら、もう気にしなくていいよ。おかあさんはおかあさんで、私のことより、自分の老後の資金をしっかり…

続きを読む

変わりゆく未来 第15話

 あんまりややこしい会社には行きたくないというのは、私だけだろうか?多分、誰でもそう思うだろう。「先生、ちょっとお話しがあるんですけど?」「なんだ、丸山。」「先日、内定させて頂いた会社、取りやめたいのですけど。」「んん?どういうことだ?」「その会社に入社した先輩の話を聞いたら、ブラックだという話を聞きました。そんな会社はお断りしたいのですが。」「おいおい、推薦での内定なんだぞ。そんなことできるわ…

続きを読む