変わりゆく未来 第21話

 ある日、会社帰りにみんなと一緒に、女子会にいくときのことだった。数人で一緒に歩いていたのだが、私は瞬間意識を失った。気が付いたとき、私は並木にもたれて座っていた。やけに臭い。耐え難い匂いだ。体が痒い。頭が痒い。口の中が気持ち悪い。聞いたことのある女性たちの声が、ちょっと遠方で聞こえた。「部長、しっかりして下さい。」「部長、聞こえますか?」「大丈夫ですか?」そこには、今までの私がいた。みんなに抱…

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変わりゆく未来 第22話

 こんな生活をしていなかったら、もっと動けただろうに。だけど、ここから出たら、どこに住めるのだろうか?まともに働けるのだろうか?だが、その不安は突然解決した。「斉藤さん、面会だよ。」「え、誰だろう?」そこには年配の女性が立っていた。涙をためていた。「やっと、見つかった。」いきなり、私に抱き着いてきた。「あなた、探したのよ。」 私はいったいどんな人間だったんだ。とにかく、記憶喪失状態で、浮浪者生活…

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変わりゆく未来 第23話

 まあ、いい。ちょっとづつ様子を見ていこう。その晩、貴志が帰ってきたので、一緒に食事をすることになった。「3人で食事をするなんて、何年振りかしら。」「おやじ、どうなんだ?」「ああ、体調はだいぶよくなった。」「いや、そうじゃない。会社のことだよ。」「今度、内部事情とか、教えてくれないか?」「そんな暇はない。」「じゃ、資料を見せてくれないか?」「用意させるよ。」 まったく、食事の時くらい、いらいらし…

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変わりゆく未来 第24話

 翌日、掃除のおっちゃんに扮した私は、私の来社の印象を聞けることとなった。案外、トイレに入っていると、いろんな話を聞けるし、掃除のおじちゃんだからか、あまり気にせずに、いろんな話をしている。おかげで情報収集にはもってこい状態だった。「ここの会社は給料がいいのかな?知り合いがこの会社を受けてみたいと言ってたんで、教えてくれるかな?」「おっちゃん、そんなよくないよ。初めはどこの会社とも同じような金額…

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変わりゆく未来 第25話

 私は貴志に言われて、再び、会社へ出社することになった。ほとんど、相談役的な役割だ。でも、これまでの私を知っている社員は私に近寄らない。貴志同様、かなり口うるさかったようだ。だから、誰も近寄ってこない。当然、暇になる。それなら、家に帰った方がいい。 まあ、代表の貴志の依頼だから、仕方がない。会長室でのんびりしてるか。と思っていたのだが、私への面会が割と多い。私より、貴志へと思うのだが、昔ながらの…

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