小説 「アレスグート」  第1話

 大学を卒業して、両親がバタバタと亡くなって、いつの間にかオレ一人になってしまった。ややこしい相続手続きを済ませると、相続税もつかない、価値の少ない古い一戸建てと小さな敷地のみが残った。兄弟もいないし、親戚もない。本当に天涯孤独になってしまった。こんなことってあるんだなと人ごとのように思っていた。 まあ、なんとか生活していけるし、ややこしい親戚の付き合いもないし、親の面倒も見なくていいし、ちょっ…

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小説 「アレスグート」  第2話

 会社に着くと、早速、先輩に見つかった。「もう、大丈夫か?直ってよかったな。え?おい、マジか?」 その声にみんなが集まってきた。そりゃそうだ。20キロ近くやせたんだからね。「めっちゃ、やせたやん。だいじょうぶか?まだ、無理せんと休んでおけよ。」「そんなにやせれるんなら、おれも?!」「あほか!」みんな、好き放題、言ってる。 社長もえらいびっくりしてた。「そんなんだったら、誰か看病にいかせたのに。」…

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小説 「アレスグート」  第3話

 同窓会の案内に誘われて、久しぶりに同窓会にいくことにした。中学の時から会ってないヤツもいるし、だいぶ変わったんだろうか? 夕方、会場に着くと、全然変わってないやんけ!さすがにまだハゲはおらんな。女性陣はみんなきれいに変身だね。すぐに誰でもほれてまうやろ!って感じだ。 だが、ひとり、問題を抱えているコがいた。おいおい、大丈夫か?オレは飲み物を持って、彼女の元に行った。やけに顔色が白い。「やあ、ひ…

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小説 「アレスグート」  第4話

 この先、オレはどうしたらいいのだろう。この能力を封印して生きていった方がいいのだろうか?とは言うものの相変わらず、自分には使っている。やっぱ、変に太りたくないからね。周りには「やせの大食い」とか言われても、実際はその都度、脂肪を排出している。でも、他人には使っていない。 ある時、長田から連絡があった。「高橋くん、お願いがあるの。」「よう、久しぶり。元気にしてるか?」「私はとっても元気なんだけど…

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小説 「アレスグート」  第5話

「で、どうしてわかったんですか?」「いやいや、こればかりは企業秘密ですって。」「そんなこと、言わずに教えてほしいです。」「ほんまに無理ですって。」まあ、たいがい信じてもらえないしね。そんな話から始まっていろんな話をした。「で、そろそろ、教えてくれませんか?」「よっぽど、知りたいんだね。」「はい、お願いします。」「じゃ、手を出して。」 恵美の手を取って見ると、ああ、またやってしまった。全部見えた。…

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