小説 「アレスグート」  第21話

 ここニュルンベルグでは、オレは有名人になっていた。不思議な能力をもった人、悪魔の力をもった人、ゴットハンドをもった人、好きなように言われている。もう、隠すことなんかない。それをすべて受け入れてくれている人たちがいる町なのだ。 たまに佐藤さんからの仕事の依頼がくる。基本的にドイツの大都市での仕事となることが多いが、近郊にある飛行場からプライベートジェットで送り迎えしてくれる。報酬は80万ユーロ前…

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小説 「アレスグート」  第22話

 それから、しばらく何事もなく仲間と楽しい生活を送っていたが、最近は佐藤さんの仕事が多くなった。毎回、プライベートジェットというのもいいもんだ。飛行機はジャンボクラスの旅客機くらいしか乗ったことがなかったから、こんな小型のジェットなんて、ファーストクラスみたい(座ったこともないが)なもんかもね。「仕事が多いのは仕方がないけど、もう料金は減らしてもいいですよ。」「いえ、これはビジネスです。きちんと…

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小説 「アレスグート」  第23話

 目が覚めたら、ベッドの上だった。ヤツらはオレの服が血で染まっていたんで、その上から包帯をぐるぐる巻きにしただけだったみたいだ。ということはオレがすでに治っていることに気がついていないようだ。 だけど、ここはどこなんだろうか?目隠しを外されても、特に特徴のあるような部屋じゃないし、場所の特定ができない。当然、スマホは奪われているし、誰とも連絡できない。「お、気がついたか?」「ここはどこなんだ?」…

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小説 「アレスグート」  第24話

 着いた先で待っていたのは、小さな女の子だった。これは・・・オレにとっては初めてのケースだった。女の子というより、女の子たちだ。そう、シャム双生児。このままでは、彼女たちの成長で、内臓がつぶれて死んでしまう。厄介な状況でつながっている。これ、うまくできるのかな。「佐藤さん、わかっていると思うけど、太った人10人ばかり来てもらっていいかな?」「はい、ちゃんと来て頂いています。それも、ダイエットした…

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小説 「アレスグート」  第25話

 まあ、そんなことで、オレたちは日本へ旅立つことになった。結婚して旅行なんてしていないから、いい新婚旅行になればいいと思う。オレにとっては、何年ぶりだ?久方ぶりの日本だ。もう、どこにもよりどころはない・・・っていうか、以前働いていた工場とか、両親の墓とかあるから、よりどころがないわけではない。 一応、念のため、佐藤さんには予定を連絡しておいた。もしかすると、日本であちらの仕事が舞い込んでくるかも…

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