小説 「よく眠れた朝には」 第11話

 オレは月1回の狩りを2回にして、侍のわけのわからない大義の取り立ての対策をするようになった。多少、多めに持っておいた方が、急になにかあっても大丈夫だからね。 狩りはほぼ失敗することはなかった。たいがい、なにかの獲物が獲れる。イノシシと鹿を獲ったときは、持って帰るのが大変だった。野ウサギなんかは結構楽だ。リアカーがあれば楽なんだが、大八車しかないので、それを借りて大物のときは、利用することにした…

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小説 「よく眠れた朝には」 第12話

 なぜか、急に現実的なことが気になり出した。タエは本籍もなければ、住民票もない。出生証明だってない。なんせ、160年以上も前だもんね。オレと結婚するということで、すべて解決できるのだろうか?それに、もっと現実的なことが。タエの下着とかどうやって買えばいいんだ?男のオレがそんなん、買いにいけないじゃん。あまりに変な奴と思われちゃうんだろう。だけど、そういうことを信頼して任せられる人って、おらんしの…

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小説 「よく眠れた朝には」 第13話

 一方、町に繰り出した二人はというと、「タエさん、ん~、タエちゃんでいいかな?」「はい、ひろみ様。」「私もひろみちゃんでいいわよ。」「はい、ひろみ様。」「ん、もう。ひろみちゃんでいいってば。まあいいっか。」「その服、慎ちゃんのだよね。」「そのようでございます。」「まずはランジェリーから、上着、ズボン一式全部買わないとね。」「はあ?」 最初にお店で、ひろみはタエのサイズを測ってもらった。「細っ!タ…

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小説 「よく眠れた朝には」 第14話

 その頃、オレは自分の痕跡を探していた。いったい、オレはどこで働いていたんだろう。日栄商事じゃなかったのか。じゃぁ、どこに勤めているんだろうか?会社のカバンに入っていた名刺入れには確かに日栄商事って、なっている。だけど、電話しても違うと言われる、聞き覚えのある先輩の声もオレを知らないという。 これは多分、オレが歴史を変えてしまったことに由来するのだ。過去でなにかやらかして、未来の今が変わってしま…

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小説 「よく眠れた朝には」 第15話

 オレはその晩、多恵と一緒に晩御飯を作ることにした。ご飯は簡単だ。お米を洗って、炊飯器にセットするだけ。おかずはどうしようかと思ったが、多恵にいろんな味を楽しんでもらおうと思って、ハンバーグにした。一から作るんじゃなく、買ってきたハンバーグを焼くだけだけどね。それにミートソースに絡めて、ハイ出来上がりってやつだ。あとは、温野菜を添えて、簡単、晩御飯の出来上がりだ。「今日は朝から初めて頂くものばか…

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