小説 「よく眠れた朝には」 第21話

 最後に残ったヤツがかしらだと思ったが、そうではなかった。その山賊たちの、まあ言うなりゃサブリーダー、要は2番目にえらい山賊ということだった。じゃぁ、1番目はどこに?「おかしらは砦で待っていなさる。」「おぅ、そうかい。だったら案内しな。」「勘弁してくれ。オレたちが皆やられちまったと分かったら、半殺しじゃすまない。」「仕方ないじゃん。オレたちを襲ったのが運の尽きってことだ。」「許してくれ~。」「あ…

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小説 「よく眠れた朝には」 第22話

 夜も更けた頃、そいつらは現れた。先に一人が、襲うと決めた長屋で手ほどきをしていた。すでに町人に化けて、様子を伺っていたヤツがいたみたいだ。そいつらが金銭を持って、長屋から出てきたところを、今度はオレらが襲った。連中も必死だ。でも、オレらには歯が立たない。なんせ、切れないからね。手ほどきしていたヤツは、なんか線が細い。おんな?オレは顔の手ぬぐいを取り去った。「えっ、ハルさん!」「うそだろ。」「正…

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小説 「よく眠れた朝には」 第23話

 ハルはうつむいて、オレの話を聞いていたが、しばらくして、顔を上げた。「慎さん、ごめんなさい。タエ、本当にすまなかった。」「姉上様。」「慎さん、今からでもやり直せるでしょうか?」「ああ、大丈夫だ。」「喜三郎、お前たちはどうだ?」「頭がそういうんでしたら、オレらもそうさせて頂きます。」「だが、このままでは死罪は免れないな。」「旦那様。」「わかっているよ。喜三郎以下、6人か。」「いいか、よく聞けよ。…

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小説 「よく眠れた朝には」 第24話

「只今、帰りました。」家の奥から、多分、正さんのお父さんの声だと思うが、怒鳴り声が聞こえている。正さんのお母さんが出てきた。「正彦、お帰り。お父さんが大変なのよ。」「ちゃんと、伝えてくれたんやろうね。」「話したら、ずっと、あの調子なのよ。」「お母様でいらっしゃいますか?私、正彦様の妻、春風と言います。末永く、よろしくお願いします。」ハルさんは、その場でしっかり挨拶をした。「まあ、まあ、春風さんと…

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小説 「よく眠れた朝には」 第25話

 ホームパーティの日、総務の猪瀬さんがオレんちにやってきた。でも、猪瀬さんだけではなかった。同じ総務の斎藤さんや工藤さんも連れてきた。「こんにちは。猪瀬です。」「やあ、いらっしゃ・・・えっ?なんで、斎藤さんや工藤さんまでいるの?」「だって、協力者は多い方がいいでしょ。あれ?加藤さんたちは?」「もうすぐ来るよ。」おいおい、そんなに連れてきて、本当に大丈夫なんだろうか?「山本、来たぞ。えっ?なんで?…

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