人なんか嫌いだ! 第1話

 人は群れて生きていく。ボクはそんな生活が大嫌いだ。小さい頃から、家族とさえ、一緒に暮らすことが嫌だった。自由にいろんなことをやりたいのに、絶対邪魔が入る。お袋が邪魔をする、兄弟が邪魔をする、親父も邪魔をする。大きくなったら、絶対に一人で生きていってやる。いつもそう思っていた。 だから、働けるようになったら、お金を貯めて、山を買って、そこに住むことを夢見ていた。自分ひとりだけの生活、なんて素晴ら…

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人なんか嫌いだ! 第2話

 ボクにとって危険動物は、植物たちが教えてくれる。特に熊や猪は要注意だ。でも、彼らはボクの生活エリアを通り過ぎていくだけなのだ。ボクは彼らが通り過ぎていくまで、そっとしているだけ。ムダな争いはしない。獲って食おうなんてこともしない。動物性蛋白質は、卵で十分なんだから。たまに、なかなか通り抜けていかないこともある。でも、辛抱強く待っていると、通り過ぎてくれる。 滅多にないが、山火事も起こる。これに…

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人なんか嫌いだ! 第3話

 ボクの住んでいるところまでは、めったに人はこない。でも、誰かが住んでいるらしいと、知れ渡っているらしく、本当にたまに、人が来る。先日は駐在さんが来た。ここらの地区の人に一応話を聞きに来たとのことだ。物好きだ、こんなところまで。見た目は野宿みたいな家だから、誰も家だと思わない。その駐在さんもそうだった。ここらへんと聞いてきたらしいが、結構迷ったらしい。最近はGPSを持っているから、家には帰れるよ…

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人なんか嫌いだ! 第4話

 ボクは、明るいうちに家に連れていった。さてどうしよう?木の上の我が家は、一人しか寝れない。仕方ないから、彼女を寝かせてあげようかな。「さあ、着いたよ。」「えっ、どこに家があるの?」「だから野宿みたいなもんだと言ったでしょ。」「本当に野宿なの?」この人、野宿したことないんだ。ちょっと、この木の上で寝るの難しいかも・・・「あの、多分、寝ている時に毒虫にかまれたら痛いから、この葉っぱの汁を服からでて…

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人なんか嫌いだ! 第5話

 なんか、せっかく、一人になって、のんびり暮らしていても、勝手に入り込んでくるので、最近は少々うんざりしている。自分で自分のことを対応できないのに、なんでこんな自然の中に入り込んでくるんだろう。自然が多いと、良いとこも悪いとこもたくさんあるので、それなりに注意しないと、怪我もするし、死ぬことだってある。ボクはそんなことも十分承知の上、ひとりで暮らしている。まあ、そんなことしている人なんか、ほとん…

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