人なんか嫌いだ! 第6話

「じゃぁ、たまに会ってくれる?」「それくらいならいいよ。」「どうやって、連絡したらいいの?」「何もしなくていい。」「それじゃ、会えないでしょ。スマホもないのに。」全然大丈夫だ。植物たちが教えてくれる。「君が来たって、感じるから。」「えっ、ほんとうに。本当にそんなことできるの?」「今回だって、ちゃんと会えたでしょ。」「あっ。」彼女は今頃それに気が付いた。間抜けじゃん。おかしかった。「今から連れてい…

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人なんか嫌いだ! 第7話

 雪が降る冬のある日、半分眠っている木々がボクにささやいた。数人ほど、動けないでいるって。なんで、こんな雪の時期に来るかな。吹雪いたら間違いなくお陀仏だろうに。仕方なしにボクはどんな状況かを確認しに行った。彼らは5人ほどで、固まって寒さを防いでいるように見えた。風が強いから、ちょっと先はまるで見えない。まあ、迷子になるわな。「こんにちわ。皆さん、大丈夫ですか?」ボクは声をかけた。「えっ、救助隊の…

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人なんか嫌いだ! 第8話

 それから1ヶ月も経っただろうか、あの彼女が現れた。彼女ひとりじゃなかった。テレビ局の人達も一緒だ。本当に面倒くさい。困ったもんだ。こんな夕方では、町まで連れていけないじゃん。ボクんちに泊まる気満々なんだろう。ずるいなあ。最近の夜は、熊がよく歩いている。ボクは知らんぞ。でも、そんなこと、言ってられないな。「もう、いい加減にして下さい。」ボクはいきなり、声をかけた。「あ、やっぱり、来てくれた。うれ…

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人なんか嫌いだ! 第9話

 ボクは駐在さんの家で身の回りを整えさせて頂くことになった。久しぶりのお風呂に入らせて頂いた。ひげも剃った。髪の毛も適当に短くして、整えた。着るものは駐在さんの奥さんが見繕ってくれた。ボクはポリ袋をいくつか頂いて、ちょっと藪の中に入って行った。 その袋に、トマトやら、リンゴやカキ、キウイにスイカ、キュウリ、オクラ、ブドウ、イチゴなど、いろいろな種類の野菜や果物を入れて、奥さんに渡した。「えっ、こ…

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人なんか嫌いだ! 第10話

「しばらく、うちのロッキーがいなくなったと思ったら、あなたのところにいたのね。」そうだったのか。合点がいった。「あなたの犬でしたか。ありがとうございます。命拾いしました。」「どうやらそのようね。ロッキーは怪我をしている動物を見かけると元気になるまで、ずっとそばにいるのよ。」「あなたが飼い主なんですね。すごく慣れている気がしていました。」「ところで、あなた、ひとりで暮らしているの?」「はい、ボクは…

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