人なんか嫌いだ! 第11話

 どれくらい経ったのかわからないけど、ボクは目が覚めた。からだは動かない。多分、猟銃で撃たれたんだろう。でも血は止まっていた。植物がボクの血を止めてくれたみたいだった。恐らく、猟師はボクを見て、ほったらかしで、帰ってしまったのだろう。そのまましとけば、死んで土に帰るか、肉食の動物たちに処理されるか、いずれにせよ、ボクの後始末は自然に任せたのだろう。 猟師は責任逃れをしたのだ。だが、ボクは死なずに…

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人なんか嫌いだ! 第12話

 ある日、ボクは不思議な体験をした。特に変わった様子はなく、いつものような日だった。ボクはのんびり、夕日を見つめて、美味しい果物を食べていた。風景はさほど変わってはいないのだけど、なんとなく、違和感を感じた。いったい、何なんだろうか? ああ、そっか、ボクから見える風景の左側の平地にいきなりたき火らしき煙が見えたんだ。いままでなかったのになんでだろう。ちょっと、興味があったので、そこまで行ってみる…

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人なんか嫌いだ! 第13話

 ひさしぶりに行儀の悪い連中がやってきた。数人いる。こんな山まで何しにきたんだ。キャンプならそれなりに設備が整っていない場所じゃないと、めんどくさいだろうに。 その日は、適度に雲があって、日差しが出たり隠れたりして、楽しい景色になっていた。ボクはその移りゆく様を木陰でのんびり楽しんでいた。こういう景色はずっと見ていても、飽きないね。ほんと、いつの間にか、夕方まで見続けてしまう。ああ、今日もいい一…

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人なんか嫌いだ! 第14話

 ほとんどの場合、熊との遭遇は、お互い避けるようにしている。ボクもだけど、熊の方もボクを避ける。だから、襲われることはまずない。だけど、なかには襲ってくる熊がいる。ボクの匂いを嗅いで、追っかけてくる。これにはまいった。やめてって言っても、やめてくれない。木の上に逃げても追っかけてくる。そうなると、やっつけてしまわないとこっちがやられてしまう。 とにかく、からだ中にドロをなすり付けて、ボクの匂いを…

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人なんか嫌いだ! 第15話

 長いこと、一人での時間を楽しんだ。こんなに誰からも干渉されないこともめずらしい。一人になりたいといって、ここにきたけど、侵入者によって、干渉されることが多いということがわかった。でも、今回は本当に長いこと、一人でのんびりできた。こんなときでも、自分から会いたくなる人もいる。ミキさんやロッキーだ。彼らはそばににても、お互いを干渉することはない。だから、居心地がいい。 あるとき、ロッキーがきた。久…

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